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第196回国会(常会)における吉野復興大臣発言(平成30年3月23日、衆議院)

第百九十六回国会
衆議院 東日本大震災復興特別委員会における吉野復興大臣発言
(平成三十年三月二十三日)

復興大臣を拝命しております、吉野正芳です。
 東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。


東日本大震災の発災、そして東京電力福島第一原発事故から、八年目を迎えました。
 未曾有の大災害である、この震災からの復興には、多くの困難が伴うと同時に、長期にわたっての取組も必要となります。
 安倍内閣では、これまでも、復興の加速化を内閣の最重要課題の一つとして位置付け、政府を挙げて、復旧・復興に取り組んでまいりました。
 その成果もあり、地震・津波被災地域では、生活に密着したインフラの復旧はほぼ終了し、住まいの再建も今春までに九割が完成する見通しであり、復興は一歩ずつ着実に進展しております。
 また、福島における原子力災害被災地域でも、インフラ・生活環境の整備の進展に伴い、帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、復興・再生に向けた動きが本格的に始まっております。

一方、避難者の数は、四十七万人から七万三千人に減少しましたが、いまだ多くの方々が不自由な生活を余儀なくされております。被災者の方々一人ひとりの置かれた状況を踏まえ、被災者に寄り添い、きめ細かく対応していく必要があります。


次に具体的な取組について申し上げます。
 避難生活の長期化に伴う見守り、心身のケア、生活再建のための相談に加え、災害公営住宅等への移転後も安心して生活できるよう、新しいコミュニティ形成の取組など、生活再建のステージに応じた切れ目ない支援を行ってまいります。
 さらに、多様化・複雑化する被災者の課題に的確に対応するためには、被災者支援に携わる方への支援を強化することが必要であり、支援者が参加する研修会の取組などを強化してまいります。
 また、人と人とのつながりをつくり、生きがいを持って暮らしていただくための「心の復興」にも力を入れてまいります。


住宅再建も、しっかりと進めてまいります。
 高台移転地と災害公営住宅は、今年度末までに九割が完成、平成三十年度末でほぼ全てが完成する見込みとなっております。
 被災地の方々に、一日でも早く、安心できる住まいに移っていただけるよう、県や市町村をきめ細かく支援してまいります。
 また、被災地の経済発展の基盤となる復興道路・復興支援道路の整備等を引き続き進めてまいります。


まちの賑わいや生活を再建するためには、住宅再建とあわせて、産業や生業の再生に、更に力を入れる必要があります。
 このため、商業施設の整備、企業の新規立地、新規事業への進出や販路の開拓等の支援、併せて農林水産業を始めとする産業の風評の払拭に向けた取組等に、より一層力を注いでまいります。
 また、震災支援機構は、二重ローンを抱える被災事業者に対し、金融機関等から債権を買い取り、債務免除を行うこと等を通じて支援を行っています。先般の法改正で支援決定期間が延長されたことを受け、被災事業者への支援にしっかりと取り組んでまいります。
 さらに、被災地、特に三陸沿岸部の人材不足に対処するため、若者や専門人材など幅広い人材を呼び込むとともに、被災地企業の人材獲得力向上を図るための支援策を講じてまいります。


観光分野では「観光先進地・東北」を目指し、取組を強化してきました。こうしたこともあり、東北六県の外国人宿泊者数は平成二十八年に続き、平成二十九年においても、全国を上回る伸び率を見せるなど堅調に推移していますが、未だ全国的な外国人観光客急増の流れから大きく遅れております。
 引き続き、インバウンドの増大に向け、地域からの発案に基づいた取組や東北の魅力の発信強化等を継続的に実施するほか、交流人口の拡大に向けた官民連携での取組を強化してまいります。併せて、風評の影響を受けた福島県に特化した国内観光振興を支援してまいります。


福島の復興・再生を加速させるため、インフラや、教育、医療・介護、買い物環境など生活再開に必要な環境整備を一層推進するとともに、中間貯蔵に係る事業を引き続き進めてまいります。
 また、「改正福島復興再生特別措置法」を踏まえ、研究拠点の整備、産業集積、人材育成等を通じた「福島イノベーション・コースト構想」の推進や官民合同チームによる自立支援など、営農再開を含め、産業・生業の再生を図ってまいります。
 さらに、帰還困難区域については、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任を持って取り組むとの決意の下、五年を目途に、避難指示を解除し、帰還者等の居住を可能とすることを目指す「特定復興再生拠点」を整備してまいります。
 その具体的な動きとして、これまで、双葉町、大熊町、浪江町及び富岡町の「特定復興再生拠点区域復興再生計画」が認定されており、本計画に基づきインフラ復旧や除染・家屋解体等を一体的に進めてまいります。

今なお続く風評の払拭は、福島の復興・再生の大前提です。昨年十二月に策定した「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」に基づき、放射線に関する正しい知識の情報発信等を一層強化していきます。
 福島の復興・再生は中長期的対応が必要であり、引き続き、国が前面に立って、全力で取り組んでまいります。


被災地は、震災前から人口減少、高齢化等の課題を抱えております。民間の力を活用しながら、こうした地域課題の解決に向けた取組を通じ、「新しい東北」の創造に取り組んでまいります。
 このため、これまでに得られた経験や教訓を活かしつつ、先進的な取組を被災地内外において普及・展開してまいります。
 さらに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会については、復興を成し遂げつつある被災地の姿を世界に発信する意味でも意義深いことと考えております。

被災地での競技開催、聖火リレーや事前キャンプの実施など、被災地と連携した取組を行うことにより、被災された方々を元気付け、復興の後押しにもつながるよう、「復興五輪」の取組も進めてまいります。

 私は、震災直後から、被災した者の一人として、被災者の声に真摯に耳を傾け、痛みや苦しみ、思いを共有し、復興に全力で努力してまいりました。
 また、復興大臣就任以来、精力的に被災地を視察し、被災者の方々と意見交換や交流をさせていただきました。復興のステージの進展に応じて新たな課題が生ずる中で、被災地の実情に即して適切に対応していくためには、地域の皆様の知恵と情熱と行動が不可欠であると実感しております。
 今後とも、現場主義に徹して被災地の意見をよく伺い、被災者に寄り添いつつ、復興の司令塔としての機能をしっかり果たしながら、復興をさらに加速化させてまいります。
 谷委員長を始め、理事及び委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

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