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第198回国会における渡辺復興大臣発言(平成31年3月13日、参議院)

第百九十八回国会
参議院 東日本大震災復興特別委員会における渡辺復興大臣発言
(平成三十一年三月十三日)

東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

東日本大震災の発災、そして東京電力福島第一原発事故から、丸八年が経過しました。
 未曾有の大災害である、この震災や原子力災害からの復興には、多くの困難が伴うと同時に、長期にわたっての取組も必要となります。安倍内閣では、「東北の復興なくして日本の再生なし」との強い決意のもと、これまでも、復興の加速化を内閣の最重要課題の一つとして位置付け、政府を挙げて、復旧・復興に取り組んでまいりました。
 その成果もあり、地震・津波被災地域では、生活に密着したインフラの復旧はおおむね終了し、住まいの再建も今年度中におおむね完了する見込みとなるなど、復興は着実に進展しております。
 また、福島における原子力災害被災地域でも、避難指示が解除された地域において、小中学校の再開や医療機関の開設が進むなど、復興・再生に向けた動きが本格的に始まっております。
 一方、帰還困難区域の方々を始め、長期にわたり、いまだ不自由な生活を送られている方々もいらっしゃいます。発災から時間が経過し、被災者の方々や被災地の置かれた状況が多様化する中で、被災者に寄り添い、地域の実情に応じて、きめ細かい対応をしていく必要があります。

この度、復興・創生期間が三年を経過する中、復興施策の進捗状況等を踏まえ、「「復興・創生期間」における東日本大震災からの復興の基本方針」を見直すことといたしました。今回の見直しにおいて、復興・創生期間における取組を加速化させるとともに、被災自治体の要望も踏まえ、初めて、復興・創生期間後における復興の基本的方向性を示すことといたしました。
 復興・創生期間内における政府の基本姿勢として、地震・津波被災地域では、復興の総仕上げに向けて、被災地の自立につながり、地方創生のモデルとなるような復興を実現することを目指すとともに、福島の原子力災害被災地域では、本格的な復興・再生に向けて、取組を進めてまいります。また、福島の復興・再生は中長期的対応が必要であり、引き続き、国が前面に立って、全力で取り組んでまいります。

まず、復興・創生期間内における具体的な取組について申し上げます。
 心の復興の観点から、避難生活の長期化に伴う見守り、心身のケア、住宅や生活の再建に向けた相談支援、生きがいづくりへの支援、災害公営住宅等でのコミュニティ形成など、生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。

住まいの確保については、災害公営住宅や宅地の整備が、今年度中におおむね完了する見込みであることを踏まえ、岩手県や宮城県においては、復興・創生期間中に仮設生活を解消できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 また、被災地の経済発展の基盤となる復興道路・復興支援道路の整備等を引き続き進めてまいります。

産業・生業の再生については、商業施設の整備、企業の新規立地、販路の開拓や人材の確保等の支援などに、より一層力を注いでまいります。
 観光についても、これまでの取組の結果、平成三十年の東北六県の外国人宿泊者数が、震災前の二倍を超える約百二十万人泊となるなど、明るい兆しが出始めております。引き続き、東北の魅力の発信強化、交流人口の拡大に向けた官民連携での取組等を行ってまいります。あわせて、教育旅行の誘致を含む福島県の国内観光振興を支援してまいります。

福島については、避難指示が解除された地域において、医療・介護、買い物環境、教育等の生活環境整備を進めるとともに、中間貯蔵に係る事業を引き続き進めてまいります。
 帰還困難区域においては、「たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任を持って取り組む」との決意の下、六町村の特定復興再生拠点区域において、五年を目途に避難指示を解除し、帰還者等が居住できるよう、除染やインフラの復旧・整備等を着実に進めます。
 また、浜通り地域等において、廃炉、ロボット、水素を始めとするエネルギー、農林水産等の分野で新たな産業基盤の構築を目指す「福島イノベーション・コースト構想」を推進するとともに、官民合同チームによる事業再開や営農再開に向けた支援など、産業・生業(なりわい)の再生を図ってまいります。
 さらに、今なお続く風評を払拭することは、福島の復興・再生の大前提です。「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」に基づき、「知ってもらう」「食べてもらう」「来てもらう」の三つの観点から、情報発信を一層強化してまいります。

二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会については、「復興五輪」と位置付け、世界中から寄せられた支援に対する感謝と、被災地の復興しつつある姿や魅力を国内外に積極的に発信してまいります。このため、聖火リレーや被災地での競技開催など、被災地等と連携した取組を進めるとともに、私を始めとする政務が、各国の在京大使に対して、精力的に情報発信を行ってまいります。
 また、「新しい東北」の創造に資する観点から、人口減少等の地域課題の解決に向け、企業・大学・NPO等の多様な主体の連携を促進するとともに、意欲的な取組の成果などを普及・展開してまいります。

これまで、被災地の一刻も早い復興に向けて全力で取り組んでまいりましたが、復興・創生期間後もなお対応が必要な課題があります。
 具体的には、地震・津波被災地域においては、心の復興の観点から、心のケア等の被災者支援、被災した子どもに対する支援などについて、復興・創生期間後も一定期間対応することが必要です。また、原子力災害被災地域においては、帰還促進のための環境整備、福島イノベーション・コースト構想を軸とした産業集積、事業者・農林漁業者の再建などについて、復興・創生期間後も対応することが必要です。これらについて、支援のあり方を具体的に検討してまいります。
 さらに、後継組織については、復興庁と同じような司令塔として各省庁の縦割りを排し、政治の責任とリーダーシップの下で東日本大震災からの復興を成し遂げるための組織を置くことといたします。今後、復興を支える仕組みとあわせ、復興施策の進捗状況や効果検証、被災自治体の要望等を踏まえ、復興・創生期間後も対応が必要な事業を確実に実施できるよう、そのあり方について検討してまいります。

私は、復興大臣就任以来、現場主義を徹底し、被災者に寄り添うことを胸に刻み、東日本大震災からの復興に全力で取り組んでまいりました。
 復興・創生期間も終盤を迎え、地震・津波被災地域における復興の総仕上げ、福島の本格的な復興・再生に向けて、確固たる道筋をつけていかなければなりません。今後は、見直した「復興の基本方針」に基づき、復興・創生期間の残り二年間において復興を加速化させるとともに、復興・創生期間後における復興の基本的方向性の具体化に取り組んでまいります。
 引き続き、復興の司令塔としての機能をしっかり果たし、リーダーシップを発揮して、一日も早い復興に向けて、全力で取り組んでまいります。
 徳永委員長を始め、理事及び委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

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