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第190回国会(常会)における髙木復興大臣発言(平成28年3月9日)

第百九十回国会
衆議院 東日本大震災復興特別委員会における髙木復興大臣発言
(平成二十八年三月九日)

 復興大臣を拝命しております、髙木毅です。
 東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
 
 東日本大震災から、まもなく丸五年を迎えます。
 未曾有の大災害である、この震災からの復興には、多くの困難が伴うと同時に、長期にわたっての取組が必要となります。
 安倍内閣では、これまでも、復興の加速化を内閣の最重要課題の一つとして位置付け、政府を挙げて、復旧・復興に取り組んでまいりました。
 その成果もあり、地震・津波被災地域では、住まいの再建や生業(なりわい)の再生が本格化しています。福島の一部市町村では、避難指示の解除も行われています。
 一方、避難者の数は、四十七万人から十七万人に減少しましたが、いまだ多くの方々が不自由な生活を余儀なくされています。被災者の方々一人一人の置かれた状況を踏まえ、きめ細やかに対応していく必要があります。

 本年は、十年間の復興期間のちょうど折り返しを迎える、まさに節目の年に当たります。四月からは、いよいよ、後期五か年の復興・創生期間に入ります。
 復興・創生期間においては、住宅再建をしっかりと進めるとともに、被災地の生業(なりわい)の再生や、心身のケアを着実に進めてまいります。
 また、被災地を地方創生のモデルにする決意の下、被災地企業による新たな取組の支援や、観光復興の取組の強化などに取り組んでまいります。

 次に、具体的な取組について申し上げます。
 仮設住宅での生活の長期化や災害公営住宅への移転に伴い、心身のケア、コミュニティ形成支援がますます重要な課題となってまいります。また、人と人とのつながりをつくり、前向きに暮らしていただくため、生きがいづくりも重要となっています。
 国としても、市町村や関係者への支援を通じて、被災者の方々の支援に力を入れてまいります。

 また、ピークを迎えた住宅再建を、しっかりと進めてまいります。
 住宅再建と復興まちづくりは、計画策定・用地取得から、工事実施の段階に入っており、高台移転や災害公営住宅は九十五%を超える事業が始まっています。
 被災地の方々に、一日でも早く一戸でも多く、安心できる住まいに移っていただけるよう、県や市町村をきめ細かく支援してまいります。
 また、被災地の経済発展の基盤となる復興道路・復興支援道路の整備等を引き続き進めてまいります。

 まちの賑わいや生活を再建するためには、住宅再建とあわせて、産業や生業(なりわい)の再生にも、さらに力を入れる必要があります。
 このため、被災企業の設備の復旧、商業施設の整備、震災により失った販路の回復に加え、企業の新規立地の促進等に、より一層力を注いでまいります。
 また、特に、本年を「東北観光復興元年」として、全国的な外国人観光客急増の流れから大きく遅れている、東北の観光復興に向けた取組を強化してまいります。

 一方、福島の復興・再生については、中長期的な対応が必要な状況ですが、昨年九月に楢葉町(ならはまち)で避難指示が解除されるなど、復興に向けた動きは着実に進展しております。
 避難が長期化する中、被災者の方々の中には、戻られる方、帰還を待つ方、新しい生活を始める方がいらっしゃいます。
 戻られる方には、早期帰還のために、除染、中間貯蔵施設の整備、インフラ復旧のほか、町内復興拠点の整備を支援してまいります。
 帰還を待つ方には、復興公営住宅の整備等を進めてまいります。
 さらに、安全・安心対策や、産業振興などにも取り組みます。
 引き続き、福島の復興・再生に向け、国が前面に立って、関係省庁と緊密に連携して、全力で取り組んでまいります。

 被災地は、震災前から人口減少や著しい高齢化等の課題を抱えております。
 そのため、復興を進めるに当たっては、単なる「復旧」にとどまらず、全国のモデルともなる先進的な取組の推進として、「新しい東北」の創造に取り組んでおります。
 具体的には、地域資源の発掘や高齢者の社会参加等、被災地で芽生えた先進的な取組を支援するとともに、その普及や展開を図るほか、経済界、大学、NPOなど、復興支援に携わる様々な方々の連携の場として設立した「官民連携推進協議会」の下で、「官」と「民」が手を取り合って、東北に持続的な活力をもたらしてまいります。

 復興のステージの進展に応じて新たな課題が出てまいります。引き続き、現場主義に徹して被災地の意見をよく伺い、より一層、被災者に寄り添いつつ、復興の司令塔として、しっかりと復興に取り組んでまいります。
 また、震災五年を機に、震災記憶の風化、風評への取組、国際的な情報発信を強化してまいります。
 田中委員長を始め、理事及び委員各位におかれましては、引き続き復興施策への御理解と御協力を下さるよう、心からお願い申し上げます。
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