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第183回(常会)における根本復興大臣発言(平成25年4月10日)

第百八十三回国会
参議院 東日本大震災復興特別委員会における根本復興大臣発言
(平成二十五年四月十日)

 復興大臣と福島原発事故再生総括担当大臣を拝命いたしました根本匠でございます。東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
 東日本大震災から二年余りが経ちました。二万人を超す犠牲者の方々に改めて哀悼の意を表するとともに、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。

 東日本大震災は、地震、津波、原発事故による複合的な災害であります。津波の被害は広範に及び、多くの街並みを流し去るとともに、極めて多数の方が犠牲になられました。原子力災害は、福島の方々 をはじめとする広範な国民の生活に影響を及ぼしております。この震災からの復興は、困難を伴い、長期間を要する取組です。
 発災以来、政府を挙げて、救助・救援と、復旧・復興に取り組み、これまでに、主要なライフラインや公共サービスについては、応急的な復旧をほぼ完了しましたが、三十一万人を超える方々が、いまだに仮住まいを余儀なくされるなど、本格的な復興は、まだ途上であります。また、原子力災害からの復興も、帰還に向けた準備段階にあります。

 私は、震災直後から、被災した者の一人として、被災者の声に真摯に耳を傾け、痛みや苦しみ、思いを共有し、復興に全力で努力してまいりました。復興大臣を拝命し、改めて被災地の復興を加速する必要があるとの思いを強くしております。
 復旧・復興は、被災地の住民と自治体が主体です。解決すべき課題は、地域ごとに異なります。解は現場にあります。復興の取組に当たりましては、現場主義を徹底するとともに、縦割り行政を是正し、総合的な対策や対応を行っていく方針です。被災地の声に耳を傾け、現場のニーズにワンストップで対応し、具体的な課題を一つひとつ解決してまいります。
 復興は安倍内閣の最重要課題の一つで、「閣僚全員が復興大臣」であります。私が司令塔として閣僚の先頭に立ち、政治の強いリーダーシップの下、関係府省庁の総力を結集して「新たな創造と可能性の地」としての東北を、皆さんと共に創り上げてまいります。

 復旧・復興に向けた具体的な取組について申し上げます。
 私は、昨年末の大臣就任以来、年末年始を返上して施策の総点検を実施し、第一に、復興庁の司令塔機能の強化と現場主義の徹底、第二に、復興予算に関するフレームの見直し、第三に、復興の加速策の具体化と推進、について早急に対処すべきと判断しました。

 第一に、復興庁の司令塔機能の強化と現場主義の徹底です。
福島の復興と再生に当たっては、除染、インフラの復旧の促進、避難の長期化への対応など、早急に対応すべき課題が山積しております。
 このため、復興大臣がトップである福島復興再生総局と福島復興再生総括本部を設置し、いわゆる「福島・東京二本社体制」を構築しました。現地の復興局、環境再生事務所、原子力災害現地対策本部の三つの組織を一体で運用し、また、復興庁の事務方トップクラスを福島に常駐させ、現地で日々起こっている様々な課題について、現場で即断即決できる体制としております。
 さらに、現地で処理しきれない制度的対応や、広範な府省庁にまたがる問題についても、私が東京で、果断に解決していく体制としました。

 第二に、復興予算に関するフレームの見直しです。
 復興施策や事業を滞りなく実施し、復興を加速化するため、五年間で十九兆円の復興予算枠を、二十五兆円程度に見直し、財源に関する被災地の不安を払拭いたしました。

 第三に、復興の加速策の具体化と推進等です。
 現時点で最も望まれていることは、「住宅の早期再建」と、福島では「ふるさと復活への道筋をつけること」です。
 このため、住宅再建と復興まちづくりについて、私の下にタスクフォースを設置し、住宅と宅地の戸数の年度別目標である「住まいの復興工程表」とこれを実現および加速化するための用地取得や人員、資材等の課題への対策を取りまとめました。この施策パッケージを推進するとともに、様々な課題に柔軟かつ きめ細やかに対応してまいります。
 福島の復興については、「福島ふるさと復活プロジェクト」として新たな支援策を講じる とともに、「早期帰還・定住プラン」をとりまとめ、福島の方々が安心して帰還・定住し、また、避難生活を安定して過ごせるよう具体策をお示しいたしました。
 特に、避難対象十二市町村の避難解除等区域の復興と再生を図るため、福島復興再生特別措置法に基づき、福島県知事の申出を受けて「避難解除等区域復興再生計画」を策定しました。これにより、インフラや生活環境、産業再生等について中長期的な取組方針等を示すとともに、市町村ごとの具体的な取組を明らかにしました。
 更に、子供をはじめとする被災者を支援するため「原子力災害による被災者支援施策パッケージ」や、被災地の農林水産業や観光業を中心とした風評被害等を低減・克服するための「原子力災害による風評被害を含む影響への対策パッケージ」を取りまとめました。これらに沿って施策を進めてまいります。
 今国会には、「福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案」を提出しております。この法案は、長期避難者の生活拠点の形成や、公共インフラの復興再生、課税の特例等による企業立地の更なる促進を主な内容とするものです。こうした各種の取組により 、福島の復興と再生を一層推進いたします。

 私は、就任以来、復興の加速化に向けた様々な施策を打ち出してきました。一日も早く、被災地にこれらの施策をお届けし、復興の加速化を着実に進めたいと考えております。
 玉置(たまき)委員長を始め理事・委員各位におかれては、政府の復興施策の推進について、御理解と御協力をお願いいたします。
          
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