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田中復興大臣記者会見録[令和02年03月06日]

田中復興大臣定例閣議後会見録(令和2年3月6日(金)9:22~9:40 於)復興庁会見室)


1.発言要旨
 おはようございます。
 本日の1点目であります。閣議におきまして、本日政府主催の東日本大震災9周年追悼式の取りやめが決定されました。私としても極めて残念でありますが、現下の状況を踏まえ、新型コロナウイルスの国内の感染拡大を阻止するため、あらゆる手段を尽くすべき時期であることから、やむを得ない決定であると考えております。
 2点目であります。3月4日に双葉町、3月5日に大熊町、それぞれ町の一部区域の避難指示が解除されました。全町避難を続けていた双葉町では今回初めて、大熊町では昨年4月に続き避難指示が解除され、大変喜ばしく存じます。また、帰還困難区域で避難指示解除が行われるのは初めてであります。さらに3月14日には双葉駅、大野駅、夜ノ森駅を含め、JR常磐線の全線開通も予定されております。復興庁としては、引き続き帰還環境の整備等、双葉町、大熊町の復興をしっかりと支援いたしてまいりたいと思っております。
 3点目であります。明日3月7日土曜日に、安倍総理大臣と福島県を訪問させていただきます。まず、富岡町では、富岡ホテルの経営者の方と意見交換を行うことになっております。次に、双葉町では、JR双葉駅を視察させていただいて、「常磐自動車道常磐双葉インターチェンジ開通式典」に出席させていただきます。最後に浪江町で、「浪江町東日本大震災慰霊碑」に献花・黙礼を行いまして、「福島水素エネルギー研究フィールド」の開所式に出席させていただく予定でございます。
 4点目であります。来週9日月曜日に、経済同友会の櫻田代表幹事、木村委員長、徳植委員長との意見交換を行わせていただくことになりました。今回の訪問では、被災地における企業連携活動支援「結(ゆい)の場」への参加や福島県産品の利用・販売への支援、及び復興庁への人材派遣などに感謝を申し上げ、謝意を表明するとともに、改めて会員、所属企業による被災地への立地を、ぜひ強力に後押ししていただきたい、との趣旨のお願いをさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。

2.質疑応答
(問)東日本大震災9年に関連しまして、被災地の人口の減少についてお尋ねします。インフラの整備であったり、今言ったような産業の話とかを進められているとは思うんですが、ただ一方で働き手世代であったり、あと子どもの世代というのも減少は非常に著しいところもございます。大臣のこの9年間の人口減少についての所感と、今後、定住人口はもちろんそうだと思うんですけれども、仕事とかで訪れる関係人口であったり、あと観光の推進というのも賑わいを生むためには一つの手だと思うんですけれども、今後の対策について大臣はどのようにお考えか、お聞かせください。
(答)全国的に人口減少していることは承知しておりますし、その中で着実に産業、生業(なりわい)の再生を進めるためには、人材確保が重要な課題でございます。このため、今般閣議決定した福島特措法の改正案では、新たな住民の移住定住の促進や交流・関係人口の拡大の施策を追加することとなっております。
 また、これまでも復興庁では、若者や専門人材等を被災地へ呼び込むとともに、企業の人材獲得力の向上を支援する人材確保対策を実施しておるところでございます。具体的には、厚生労働省が例年実施しております就職説明会などに加えて、全国の学生などを、インターンシップ事業等を通じて被災地の企業への就職につなげる事業、また大企業などのキャリアを積んだ専門人材を被災地企業へ長期間派遣する事業とか、被災地企業の人材確保、人材活用の先進的事例の紹介等を通じ、被災地での就職を促進していく事業などを通じて、被災地における雇用促進に積極的に取り組んできておるところでございます。
 今、御指摘ありましたように、被災地の復興ということになれば、生業という面で、若い人たちが定着していくためには、やはり働く場をきちっと確保する。あるいは今までの企業を支援することとあわせて、新しい企業をその被災地に呼び込んでいく。こういうことが欠かせないことでございまして、非常に重要な課題だと思っております。全国的には、どこの地域でも同様のことが起こっているんですけれども、そういうことにめげずに、とにかく復興の実現を、実質的な成果を上げるために力を入れてまいりたいと思っております。
(問)追悼式について伺います。風化防止の観点からしますと、中止ではなく縮小というような措置も考えられるのかと思うんですが、今回中止に至った理由というか、推移を改めてお聞かせいただけますか。
(答)もう本当に残念なことでございまして、私たちも縮小ということも含めて、いろいろと検討いたしました。地元の皆様方の、特に自治体の皆様方の御意見もお聞きしてきたわけでございますが、やはりコロナウイルスの感染拡大を防止するということで、今回ぎりぎり開催の可能性を検討してまいりましたけれども、このような状況になったということでございまして、本当に残念なことだと、このように思っておるところでございます。
(問)関連ですけれども、3月11日の当日、大臣はどこでどのようにお過ごしになりますか。
(答)自治体のほうとも相談させていただいておる状況でございまして、まだ確たることにはなっておりませんけれども、いずれにしましても、私自身、復興大臣として、この3月11日のことについては、震災で亡くなられた方々に祈りを捧げ、復興の思いを新たにするということが大切だと思っておりますので、そのようなことを復興庁でも考えて対応してまいりたいと、このように思っておるところでございます。
(問)今の関連ですけれども、追悼式中止がやむを得ないというのはわかるんですけれども、やっぱり感染拡大防止の観点と、亡くなった人に対する哀悼の意を表するというのは、全くこれは別と考えていいものだと、私は思うんですけれども、大臣として3月11日の2時46分に黙?を捧げましょうというような呼びかけをするなり、何か別なお考えはありませんか。
(答)政府としても弔意の表明を行うことなどについて検討が進められております。そのことを私どももいろいろと協議させていただき、どういうことになるかということでございますので、何らかの形でこのことをしっかりと示していくということは、非常に重要なことだと思っております。復興庁内でもきちっと対応をして、弔意を示す。そして復興に、今もう10年の最終年度を迎えていくわけでございまして、強い決意を示していくということは、非常に重要なことだと思いますので、きちっとしたアピールをできるようにしたいと思っております。
(問)来週ぐらいに発表されるということでしょうか。
(答)なるべく早く、もう日にちがないわけでございますので、明らかにしていきたいと思っております。
(問)週末の視察に関して、先ほど明らかにされましたけれども、復興大臣として、どういうところに狙いがあるかというか、被災地のこの状況を総理に見ていただくということだと思うんですけれども、成果と課題ということだと思うんですけれども、そのあたり、大臣としてどういったことを考えていますでしょうか。
(答)政府のほうは先ほども申し上げましたように、双葉町で初めての避難指示解除をさせていただいたり、2度目でありますが大熊町でということでございます。これは常磐線の開通、駅が機能することとセットで、非常に明るいことだと思っております。さっき言いました新しい取り組みの中でも、特に「福島水素エネルギー研究フィールド」の開所式などは、復興五輪に使う水素という意味もあり、また新しいエネルギーということから考えれば、双葉地域といいますか、双葉郡の地域を中心に、いろんな意味で使っていただく水素の供給もできるんではないかということで、経産省とも力を合わせてまいりたいと思っておりますし、自治体の皆さんと協力もしたいと思っております。いろんなことを考えると、やっとここまで来たかなと、いよいよこれからが本番だなと、こういう思いでございます。
 ただ、実際に住民の皆さんに帰ってきていただき、生活をしていただくということになれば、いろんなことを、生活に対してのいろんな準備も医療も含めて、買い物の状況もそうでしょうし、生業のきちっとした位置づけもそうでしょうし、こういうことをセットしなければいけない。また、今までの住民の皆さんの御帰還を促すことだけではなくて、人口の状況を考えると、新しい人たちにも、企業にも来ていただけるような努力をしなければいけないだろうと、このように思っております。
 そういう意味では、総理は今回現地に行かれて、いろいろと御視察も含めて式典等に参加されるということは、非常に勢いというか、思いを政府を挙げて示すということになりますので、非常に弾みがつくことではないかと思っております。
(問)週末の福島入りで総理とともに、自治体の皆さんに対して追悼式の中止についてお考えを御説明するというか、そういうことはありますか。
(答)追悼式についての説明を現地の皆様にということは、今日実は閣議で先ほど言ったように決定しましたので、当然正式にお伝えすることにもなりますので、そういうお話があれば、丁寧にお話をさせていただき、各自治体ごとにいろいろな対応をされることになるんだろうと思いますので、そういうふうな話は丁寧に御説明しなければいけないと思います。コロナウイルスの対応ということも含めて、私たち復興庁もそうですし、被災地のほうでも対策に、大変なことでございますけれども、緊張感を持ってきちっと対応していただきたいということを、あわせてお願いしたいと思います。
(問)今のに関連してですけれども、被災自治体のほうでも追悼式の中止や延期という判断をされている自治体もあります。大臣、以前の会見で自治体の判断に委ねるというようなお考えでしたけれども、今回こうして政府の主催のものを中止するということになって、大規模イベント等の自粛も呼びかけられている中で、自治体主催の追悼式に対する大臣のお考えというのはどうなのでしょうか。
(答)先ほど申し上げましたように、本当に未曽有の大災害であって、その発災から今日まで9年、こういうことで亡くなられた方、行方不明の皆さんに対する本当に哀悼の思い、また被災された方々へのお見舞いの思い、さらには、このいろんな経験というものが、一つの歴史というものになっていくわけです。そういうことを全て込めて、追悼の3月11日でございます。そういうことを考えれば、やはり私もきちっとした式典をやりたかったわけでございますけれども、残念ながらこういうことでございます。各自治体ごとに、私たち以上に被災地の皆さんは大変な思いをお持ちだと思います。これから自治体ごとに違いのある復興の状況の中でも、決意を新たに頑張ろうという思いもあると思いますので、共有するものをしっかりと私たちは持たせていただくと同時に、自治体ごとにも丁寧な、そういう何か形でやっていただけるんじゃないかと思っておりますけれども、あくまでもこれは自治体の皆さんの御判断でございますけれども、共有できるものがあるんではないかとは思っております。
(問)追悼式の中止の関係で、今回こういう事態で中止になったということですけれども、国民の皆さんに対しては、この9年となる3・11をどのような思いを持って過ごしていただきたいか、大臣のほうからメッセージをいただけないでしょうか。
(答)発災のときから全国どころか世界中から義援金もいただき、またボランティアの皆さんも大変な思いを持って御協力をいただきました。また、法律とはいいながら、税の部分でも御負担をいただき、本当に国をあげて多くの皆さんの温かい御理解のもとに、今日まで復興を進めてきたわけでございます。こういうことを今後も新しい法律を国会に上程し、御審議いただき、これからの5年、これからの10年ということを考えると、本当に国民の皆さんの引き続き同様の、今まで以上のやはり御協力、御理解が必要でございますので、どうぞよろしくお願いします。この思いを全国民の皆さんに、大げさになるかもしれませんが、風評被害の払拭も考えれば、世界中の皆さんに、ぜひ一つお訴えをさせていただきたい、この思いでございます。

(以  上)

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