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吉野復興大臣記者会見録[平成30年6月8日]

吉野復興大臣閣議後記者会見録(平成30年6月8日(金)9:51~10:06 於)復興庁会見室)

1.発言要旨
 9日及び10日に福島県内において開催されます第69回全国植樹祭の式典及び関連行事に参加をいたします。今回の全国植樹祭の式典会場は南相馬市原町区の海岸防災林整備地です。式典では、復興記念のエノキの植樹などを通じて、福島が復興に向けて力強く歩み続ける姿と、国内外からの支援に対する感謝の気持ちを、発信いたします。
 
2.質疑応答
(問)昨日、福島県の内堀知事やJA福島五連から、来年度予算概算要求に向けた要望を大臣が受けられた中で、川内村の圃場整備の事業のことを例に挙げまして、2020年度までに事業が終わらない場合は、2021年度以降、国の支援が受けられないのではないかということで、いわゆるためらいの声が上がっているという認識を示されておりました。2021年度以降の国の予算の支援が受けられなければ事業に着手できないのではないかというような懸念が広まれば、復興のブレーキにもなりかねません。こういった自治体に対してどのように取り組まるか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
(答)昨日、福島県知事をはじめとして、全ての部長、教育長がおいでになりました。夕方は農協五連のJAの皆様方と懇談したわけであります。
 そうした中で、県から、またJAからも、今の点が心配事として提案をされたわけでありまして、特に福島県の営農再開、12市町村の地域は、スタートラインが全く違うのです。津波・地震地域は7年間の営農再開、津波でやられた田畑等々を、きちんと整備をしてまた7年間という時間がございます。福島県は、スタートが本当に遅いわけであります。それを、ゴールを一緒にしたのでは営農再開が進まないということに私も同感でありまして、きちんとそういう心配のないように、復興庁を挙げて取り組んでいくということを申し上げたところでございます。
(問)復興庁を挙げて取り組んでいくということなんですが、これは具体的に予算確保に向けて、今後取り組まれるという考えでよろしいんでしょうか。
(答)予算は単年度会計ですから、各年度で要求してくわけでございます。いわゆる33年度のことは、きちんと、東日本大震災復興加速化本部も含めて、与党の方できちんと担保していく。ですから、復興庁は単年度会計でございますので、33年度の分まで約束はできないわけですけど、そこは与党の東日本大震災復興加速本部等を通じて、32年度までに完成しない新規事業は受け付けないというのが大原則でございますけど、12市町村については受付をして、33年度以降の予算には政治が責任を持つという形で、これからやっていきたいというふうに考えております。
(問)昨日の情報に関連しまして、これから概算要求等、本格化するかと思うんですけれども、地元の要望をどのように反映させていくお考えでしょうか。
(答)県から本当に様々な要望活動が出てまいりました。大事な予算要求でございます。しっかりと受け止めて復興庁の概算要求をしていきたいというふうに私は考えております。
(問)政府のリスコミ対策とも関係してくると思うので質問したいんですが、去年の11月に国連の人権理事会から4か国から日本政府に対して公衆被ばく線量限度年1ミリシーベルトを守るようにですとか、あるいは子供や女性の被ばく健康影響の問題とか避難生活を続けられるようにといった勧告が出たわけですが、実際は住宅提供を打ち切ったり、避難区域の負担を、特に避難住民の方の意見をちゃんと聞かずに解除してしまったという経緯があると思います。それで、大臣はよく御発言で100ミリシーベルト以下の被ばくの発がんのおそれはないといったような御発言も世界の科学者の知見としてということでおっしゃっているようなんですけれども、大臣が今おっしゃっている世界の科学者の知見というのは一体何のことを指していらっしゃるのかということと、それから国連の4か国の勧告についてどのように受け止めていらっしゃるのかということ、2点伺いたいんですが。
(答)放射線防護委員会というのがございますので、そこの見解が世界の科学者の意見だと。それを受けて日本政府として、100ミリシーベルト以上は発がんの危険性がある知見がある、100ミリシーベルト以下は知見がないということでございますので、そこの5分の1の20ミリシーベルトというものをいわゆる解除する基準として使って、ただ、長期目標は1ミリシーベルトでございますので、1ミリ以上のところはフォローアップ除染を実施しておるのが現状でございます。
(問)4か国から出ている勧告についてはどういうふうに受け止めていらっしゃるでしょうか。
(答)全部フォローアップをしていくという回答をしておりますので、フォローアップをしてまいります。
(問)ということは、フォローアップをされていますけれども、でも実際は区域外避難の人の住宅提供を打ち切ってしまって、避難生活の持続が非常に厳しい状況だったり。それから年1ミリから20ミリを基準に切ってしまった。しかも住宅提供の打切りということで言えば2015年に既にそういう方針を出してしまっているわけですけれども、それに対してやっぱりもう一回勧告の内容をもっと吟味して、内容をもう一回検討するということは、生活再建とか避難のことで考えていらっしゃらないんでしょうか。
(答)支援の仕方はステージ毎で違いますので、今のステージで支援ができることをしているということでございます。
 例えば、県の住宅補助等々の支援、そして住宅を本当に見つけられない方々に対する相談という形で支援をしているところです。
(問)震災に起因するであろう自殺の件数が、福島県は100人を超えるということで、岩手、宮城を含めて、震災直後に比べれば減少傾向にはありますけど、この自殺に向けた対策というのは、大臣、常々おっしゃられるように、心の復興、心のケアにとって非常に重要な観点だと思います。息の長い取組が必要かと思いますが、こちらの自殺防止対策にはどのように取り組まれるお考えでいらっしゃいますか。
(答)この新聞記事は、私にとってほんとに心が痛かったですね。心のケア、これを大きく打ち出した、私が大臣になってから。私自身が皆さんの前で言いましたけど、今、津波の映像を見ることが嫌になっております。そういう意味で、今こそ心のケア、心の復興というものが大事になっておりまして、私も大臣就任以来、そこにきちんと力を入れてきたわけですけど、現実に100人を超える方々が自殺をなさっているということで、本当にこれからももっともっと力を入れて、自殺する方々を少なくしていくという努力をすべきだなというふうに、あの新聞記事を見て肝に銘じたところでございます。
(問)平成33年度以降の継続事案については、政治が責任を持ってというお話だったんですけれども、具体的にどのような分野についてお考えなのかというのをお聞かせいただければと思います。
(答)ハードとソフトに分けると、例えばハード面で土地の嵩上げ、陸前高田市なんかは32年度でやっとあの土地ができるんですね。そこから住宅をつくり、商店をつくりという形でございますので、例えばグループ補助金等々、あと生活支援金等々、そういうところも含めて32年度で、復興庁がなくなった後、終わりいうわけにはいかないわけでありまして、一番ダメージの多かった方々が支援制度を受けられないということが、これはもうあってはならないことでございます。
 ポスト復興庁に向けて3県のヒアリングがこれから始まります。福島県の12市町村はヒアリング終わりました。1回目のヒアリングでございますけど、まだまだこれからヒアリングをして、どういう仕事ができているか、あるか、そして、いわゆるデータですね、正しいきちんとしたデータを数多く集めて、どういう組織でやっていったらいいのか、どのくらい財源が必要になるのかということを調べることが、まさに今年度、30年度、3年後、見直し規定がございますので、今年の大きな仕事である、このように思い、それを実行していきたいと思っております。
(問)先程、ICRPの2007年勧告、だと思うんですが、を基準にしているとおっしゃっていましたが、ICRPの2007年勧告においても、100ミリシーベルトであれば安全であるといったようなことは、そういったことは書いていません。
(答)書いていません。知見があると書いてあります、100ミリ以上は。
(問)あたかも100ミリシーベルト以下だったら発がんの恐れがないというような書き方は。
(答)いえ、知見がないんです。
(問)それは間違いだと思うんですけれども、その点改正されないでしょうか。
(答)だから、長期間低線量被ばくについての知見がございません。実は昨日、ウクライナの方が参りました、国会議員を20年以上やった方なんですけど。ウクライナはチェルノブイリ32年間の知見がございます、いわゆるデータがございますので、我々は7年間のデータしかございませんので、私は生態系、生物に対して、植物、小動物、動物等々に対して、どういうデータ、知見があるのか、それを尋ねたところです。これから交流してお互いのデータ交換をし、ウクライナの知見を参考にしたいというお話もしました。低線量長期被ばくのデータは、我が国にはございませんし、ICRPも持っておりません。

(以    上)

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