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吉野復興大臣記者会見録[平成29年7月7日]

吉野復興大臣閣議後記者会見録(平成29年7月7日(金)10:35~10:45於)復興庁記者会見室)

1.発言要旨
 5日、福島県の郡山市を訪問してまいりました。
 産総研の再生可能エネルギー研究所、フレアという通称ですけれども、ここを視察いたしました。ここは風力や太陽光の発電効率を上げる、そして純粋な水素を取り出すという研究をしております。そして、それをビジネスに直結させる取組をしているところでございます。
 普通、研究所ですから、研究だけしているということかなと思って行ったんですけれども、それを現実のビジネスに直結させているというところに正直感動を覚えたところでございます。
 また、6日は岩手県の釜石市、遠野市、北上市を訪問いたしました。
 災害公営住宅のコミュニティ形成や、これは自治会をつくっていくかという、そういうことや、漁業の担い手確保に取り組む復興支援員の方々、県内の復興支援団体を訪ねて、束ねて、サポートをしているNPO法人の方々と意見交換をさせていただきました。
 さらに、これは遠野市なんですけれども、後方支援という活動をして、そこの大震災の全ての記録を保存し、そしてそれを紹介している資料館等々を見させていただきました。
 この遠野市は歴史的に過去何回も三陸沿岸の津波を経験しております。そのたびごとにきちんと遠野市は、いわゆる遠野地区は、昔から後方支援をしていたと、そういう歴史的事実がございます。
 そして、遠野市の市長さんが震災前の2008年か9年、ちょっと忘れてしまいましたけれども、震災前に、自衛隊も含めて、ヘリコプターも含めて、大規模な訓練をしておりました。ですから、今度の大震災、6年前の大震災のときにも、スムーズなる対応ができたということで、本当にすばらしいバックアップ活動をしているなというところも見させていただきました。
 また、地元産、岩手産のそば粉、そして小麦粉を使った商品開発に取り組んでいる製麺工場も視察をいたしました。
 これまで被災市町村を一通りこの2か月間で訪問してまいりましたが、これらの視察を通じて、被災者の自立支援を支えていくためには、様々な支援活動を実施しているNPO法人等々の役割が大変重要である、いわゆる支援者の方々がいかに重要であるかということを改めて感じたところでございます。
 今後とも被災者の自立、いわゆる「人間の復興」や産業、なりわいの再生に最前線で取り組んでいる方々の御意見を直接伺いながら、復興をしっかりと後押しをしてまいりたい、このように考えております。
 また、これまで福島県からの避難所支援に関わる福島連携復興センターや宮城県と東京都のよろず相談拠点にもお伺いしたところでございます。
 避難生活が長期化する中、避難所の多様な方への相談に丁寧に応じていく取組は重要性を増しているというふうに感じております。他方、各拠点での活動が十分に認識されていないのではないかという声も聞かれます。
 このため、各地域での活動が円滑に進むよう、事務方に指示をして、本日付でございます、福島県から各都道府県への依頼にあわせて、復興庁としてもよろず相談拠点との連携強化について、各都道府県に改めて御協力をお願いしたところです。
 また、各府省に対しても御協力をお願いすることといたしました。具体的な内容は事務方にお尋ねをしていただきたいと思います。
2.質疑応答
(問)岩手県を視察されて、かねてからの支援者の皆さんの声を聞きたいというお話をされていたかと思います。実際にお聞きになってみての御所感をお聞かせください。
(答)北上市に、いわて連復がございます。ここは岩手県のそれぞれの地域で活動していたNPOを、ある意味で束ねているところでございまして、ここの代表の方が釜石の方で、自分も被災に遭われて、本当に命の危険を感じた、そういう体験をしておりました。
 支援者は、被災者の言葉、思いを「通訳」していくというのが、私たち支援者の仕事だというふうに、彼はおっしゃいました。その通訳するという言葉が、全く私の心と気持ちと結びつきまして、その心はやはり被災者でなければ分からないのかなというような思いをいたしたところです。
 正に被災者は、自分がこうしたい、ああしたいという希望を言葉として、またイメージとして、なかなか伝えにくいところがございます。特に東北人というのはそういう面がございますので、それをきちんと被災者の心を代弁してというか、通訳して、行政の方、特に行政にすき間があいているわけでございますので、その役割を担っているということで、本当にすばらしい活動をしているんだなと。私の思いと同じことをやっているなと。そんな感じをしたところです。
(問)大臣、近くというか、東電の幹部とお会いなされると思いますけれども、間違っていなければ、初代の平野復興大臣以来ではないかと思いますけれども、最近、東電は役員改選等で新しい執行部になって、原発事故を直接経験していない、若しくは余り関わっていなかった人が、会長、社長に就任されました。
 先日、幹部の一人が被災地に行ったときには、その地区の避難指示解除の状況すら分からない、誤った認識を持っている、いわゆる日本最大の環境汚染事故を起こした当事者としての意識が低下していると思います。
 そういう状況の中で、大臣はお会いして、東電に何と言葉をかけますでしょうか。
(答)厳しい態度で、私はこれから臨んでいきたいと思います。正に今おっしゃったことも含めて、福島県に対する責任、これをきちんと果たせるように、きちんと勉強してこいという、そこはなかなか言えない部分にしても、そんな気持ちで今日は対応していきたいと思います。
(問)先ほども冒頭の中で、人間の復興に力を入れたいというようなお話がありまして、先日、岩手を訪れた際にも、同様の発言があったかと思います。なかなかちょっと人間の復興という言葉の、ワードの捉え方が難しいなと思っていまして、どういうふうなお気持ちでそのワードを使っているのかというのを、丁寧に御説明いただければと思うんですけれども。
(答)これは、ここ2か月間で被災地をめぐってきて、やはり被災地を復興させるのは、一人一人の被災者が担って、支援者がお手伝いはしますけれども、担っていくのは被災者自身でございます。それも、自立を目指した被災者でなければならない。それを総称して、これは私のつくった言葉で、自分でもイメージがまだ、こういうものだというイメージは湧きませんけれども、総称して、人間の復興という言葉であらわしているところです。
 一人一人の人間、一人一人の被災者がきちんと立ち直った心があらわれていることは、心をきちっと立ち直った、そういう被災者でなければ本当の復興は、復興を担っていくことはできませんので、一人一人の被災者を元気にしていくという総称の言葉で、人間の復興という言葉で、今、私は使っています。

(以    上)

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