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吉野復興大臣記者会見録[平成29年5月9日]

吉野復興大臣閣議後記者会見録(平成29年5月9日(火)10:00~10:30 於)復興庁)

1.発言要旨
 おはようございます。連休の5月1日と2日の2日間にかけて、被災地を訪問してまいりました。
 達増岩手県知事と意見交換を行った後、岩手県の被災地、そして、2日目は岩手県、宮城県の被災沿岸地を訪問いたしました。
 町によって復興の度合いがかなり進んでいる町と進んでいない町と差がございました。でも、9割復興している町であっても、各ステージ、ステージで必ず課題があるというところを理解したところであります。
 これからも支援を求めている人がいれば、最後の一人まで支援をしていく、そのようなことでこれからの復興行政をやっていきたいと思います。
 もう1点は、4月29日に帰還困難区域で初めての山林火災がございました。1週間経って鎮圧はしましたけど、まだ鎮火には至っておりません。いわゆる勢力は衰えたということですけど、鎮火には至っておりません。
 昨日も大和田消防局長と夕方お電話しましたけど、昨日の大風、強い強風にもかかわらず、鎮圧の状態は変わっていないという報告でございました。
 また、モニタリング調査をきちんとやっております。何ら変化、変動は確認されておりませんので、ネット上でいろいろ出ておりますけれども、正しい情報、これを求めていくと、このような考えでございます。
 また、昨日の強風で岩手県の釜石市、宮城県の栗原、福島県の会津坂下でも山林火災が生じておりますので、東北地方は乾燥しているものですから、山林火災が起きております。
 復興庁としても全力で復興支援をしていきたい、このように考えているところです。
 以上です。
2.質疑応答
(問)先ほど冒頭、岩手の視察のお話の中で、9割復興していてもステージ、ステージで違う、そのステージでも課題があるというお話がありましたけれども、9割復興しているというのは何を見て9割復興しているとお感じになったのかというのと、あと、たびたびその「ステージ、ステージ」というお話をされますが、その「ステージ」というのはどういうことを指しているのかというのをお聞かせください。
(答)例えでありまして、どの町が9割復興しているということではございません。残り1割があるということでございまして、やっぱり各町々で復興の進捗具合は違うわけでありますので、そのステージ、ステージで支援のまた中身が変わってくると、このようなことをステージ、ステージで課題があるということを私は言っているだけです。
(問)ステージ、ステージというのは、例えばインフラが整っても、ソフトの面でまだ課題があるとかというステージですか。それとも、どういう意味で。
(答)最初の6年までのステージと、今のステージと、これは支援のやり方が違います。そういう意味で、これからの課題というのはいわゆるソフト対策の方に移ってくるのかなというふうに思っています。
 私自身、今津波の映像を見ると、チャンネルを回しちゃいます。ですから、そういう心の復興、心のケア、こういうソフト対策、正に今が大事な時期なのかなと、こういう思いでございます。
(問)山林火災の関係で、復興庁としても全力で支援をしていきたいと御発言がありましたが、具体的に復興庁としてどういった支援が考えられますか。
(答)福島復興局長である木幡局長さんは、消防大学の校長先生をしておりました。消防のある意味では専門家でございますので、そういう意味ではいろいろな相談事を受け、復興庁として支援できるところは全面的に支援していくという指示を私はしたところであります。
(問)先ほど、ネット上でいろいろな情報があるとありましたけれども、その辺りで例えば正しい情報を伝えていくとか、そういった支援というのは何か御検討は。
(答)これは風評被害にも通ずるものでありまして、正しい客観的な情報、これをきちんと伝えていくということでございます。放射能が飛び散るというようなネット情報もございましたけど、モニタリングポスト、モニタリングをしても何ら変動、変化はございません。ですから、正しい正確な客観的な情報をきちんと知らしめていくということでございます。
(問)今の森林火災の件なんですけれども、これは実際に例えば降雨が、例えば雨が降って、その地面に、土壌に落ちるとか、あるいはモニタリングと言っても空間のどこで測るかによってもかなり違うと思うんですが、それの調査の仕方ですね。どういうふうに安全性を示していくのかという、その方法的なことというのは確立されているんでしょうか。もしあれば教えていただきたいんですが。
(答)県内にモニタリングポストというのが原子力規制委員会とか、文科省とか、県独自のモニタリングポスト、また、東京電力も多分持っていると思います。そういう常設のモニタリングポストがございます。
 と同時に、移動車でモニタリングをしていくという、そういう車でのモニタリングという手法もございます。そういうものをこれから使ってと言いますか、活用して、何ら変動、いわゆる常設のところには何ら変動がないという正確な情報をきちんと伝えていくとか、こういうことでございます。
(問)土壌は測っていらっしゃるんでしょうか。土壌汚染については測っていらっしゃるんでしょうか、土壌汚染については、変化については。
(答)詳しいお話は、後ほど担当者から説明させていただきます。
(問)先日の特別委員会で、復興庁廃止後の後継組織について大臣は言及されておりまして、その中で、地元福島に置くことも検討したいとおっしゃられたと思うんですが、具体的に何かどのようにお考えなのか、改めてお聞かせください。
(答)これは、森まさこ議員からの質問がございまして、森先生は、地元に置くべきだ、被災地に置くべきだというお話がございました。その意思を反映して、これからです。これからどこに新たなる、中長期的なものがございますから、これから検討していきたいということでございます。
 岩手、宮城に行くと復興の遅れている町がございます。あと4年で復興できるかなという不安を持っている町長さんがございますので、その辺のところも4年間で絶対、我々としては復興を完成させたいということで頑張ってまいりますけど、不安がありますので、その辺の配慮をしていきたいと、このように考えています。
(問)山林火災について関連なんですけれども、正しい客観的な情報を伝えていくことが重要だとおっしゃられていましたけれども、ネット上の情報では、特に和歌山県の紀伊民報というところは、放射能の拡散という点で、関東、静岡にも飛ぶんじゃないかということを書いていましたけれども、そういう情報に対する何かしらの対策というのはとられるんですか。
(答)風評被害全般については、やっぱりリスクコミュニケーションなんです。そして、リスクコミュニケーションのパンフレットをしっかりと作って、リスクコミュニケーションが大事だよということを根本大臣のときにやっているんですけど、私はそれを受けて、再度リスクコミュニケーション、これをきちんと図って、日本国民が全員、放射線を正しく理解して怖がるというのが基本姿勢でございますので、それが大事だと思っています。
 私が国会議員になったときに、「放射能と放射線の違いを記せ」という形で全ての試験、司法試験から大学入試から高校入試から、全ての試験に「放射能と放射線の違いを記せ」ということを提案していたんですけど、実現はしませんでした。この放射能と放射線の違いだけをきちんと理解していれば、日本国民はこれだけ放射線、放射能に対する不安というものが、私は取れるというふうに思います。
 原子力船むつ号、昔々事故を起こしました。マスコミの皆様方は「放射能漏れ」と書いたんです。でも、実際は「放射線漏れ」なんです。放射能漏れというのは、放射線を出す物質が外に出た。これは大変なことでございます。放射線は光ですから、光が出たということで、全く「放射線漏れ」と「放射能漏れ」は違うんです。そのことをきちんと全ての国民が理解をしてほしいなと。そういう意味で、復興庁としてリスクコミュニケーション、これを一生懸命やるつもりでございます。
(問)4月27日に、大臣宛てに自主避難者の団体から要請書が送られていると思うんですけれども、この要請書に関して何かしら返答なり回答はされているんでしょうか。
(答)しておりません。
(問)その中の要望に、是非大臣には、避難当事者団体の支援団体と直接会って実態把握に努めてほしいという要望があったと思います。私も避難者の方から直接お話を聞いたんですけれども、福島県知事との面会もかなわない中で、まず第一に、大臣には直接会って、どうしても自分たちの実態を聞いてほしいという強い要望があったんですね。大臣としては、この要望に応える意思がおありなのかどうかをお聞きしたいんです。
(答)大臣に就任する前に、東京の国際フォーラムで、福島県主催の自主避難者も含めて避難されている方々の話を聞く機会がございました。特に自主避難者の方々はママカフェという、コーヒーを飲むところをやっていたんですけど、私はそこに行っていろいろ自主避難者の方々の意見、そして東京都ですから、支援員、支援する方、都職員の方々で臨床心理士の資格を持っていた方々で、そういう方々との意見交換もしたところであります。
 大臣になってからは復興庁として適切に対応してまいりたい、このように考えています。
(問)先ほど大臣は、支援を求める方がいらっしゃったら、最後のお一人までやるとおっしゃっていたんですが、支援を求める人というのは、避難者も含まれるということでよろしいでしょうか。
(答)はい。私はいろんなところへ行っていまして、こういう経験をしました。ある民間施設、大きな大きな建物がある民間施設です。そこに震災発生と同時にたくさんの方が、何百人という方々が避難しておりました。でも、落ち着くにつれ一人二人帰って、最後の一人になったんです。民間施設ですから、民間の中堅幹部の方々は、早く出て行ってもらって元の役割で使おうというのが、これ当然だと思います。でも、そこの最高責任者は出て行ってくれと言わなかったんです。避難している方々は、一人一人がやっぱり事情が違う。その一人一人の事情に合わせて、自主的に出るまで待っていたんです。これが私にとっての最後の一人まで寄り添っていくということ。被災者に寄り添っていくという、本当に耳障りのいい言葉なんですけど、私はそこの責任者がやったと同じような気持ちで、そこまでできるかどうか分かりませんけど、そういう気持ちでこれから復興をやっていきたい、そのように考えています。
(問)今の質問にもちょっと関係するんですけれども、大臣は、まだ自民党政権が野党だったとき、2012年の復興特、この復興庁の所管している原発事故子ども被災者支援法の立法のときに質問に立たれていて、そのときに、チェルノブイリ法に準じたようなそういった法律が必要だという立場で御質問されていたかと思います。今、被災地から出ていらした久しぶりの復興大臣として、チェルノブイリ法は原発事故から5年目にあちらでは立法されているんですけれども、改めて被災地域を線量基準で区分して、そして住民に対して支援を長きにというか、今現在30年経っても実施されているんですけど、そういった法律の運用というのを現在必要というふうに感じていらっしゃるか、そういうものがこれからより例えば日本の中でもやる必要があると感じていらっしゃるかどうか、ちょっと教えていただければと思います。
(答)日本版チェルノブイリ法が、私は子ども被災者支援法であるというふうに思っておりますので、日本版チェルノブイリ法はできたというふうに思っております。ですから、子ども被災者支援法をきちんと活用して支援をしていきたい、このように考えています。
(問)今の質問と関連するんですが、ということは、今も自主避難の方の住宅提供が3月いっぱいで打ち切られ、それで新たな住宅先を見つけている方はもちろんほとんど大半なんですけれども、そういう人たちが本当に自分の希望に合った形での転居だったのかということ、どういうふうに考えていらっしゃるのかということ。
 それから、避難地域の解除ですね、これも年間追加被ばく線量20ミリから50ミリの間でも、居住制限区域であっても解除したところが大半だったわけですけれども、そういう状況について、今、チェルノブイリ法の話が出ましたが、その関係で、今の政策の在り方でいいのかどうかということについて大臣どう考えていらっしゃるか教えていただきたいんですけれども。
(答)居住制限区域20ミリのところなんですけど、それは線引きをしたときの線量でございまして、きちんと除染等々をして、今は住める環境になったわけでありますので、ですから、避難指示を解除したということでございます。昔の線量ではございません、このところをきちんと理解をしてほしいと思います。
 真っ赤っかな地図を見ると、私は、イコール危険なんだという、そういうイメージを持ちますので、大臣になる前、加速化本部の一員として、この色塗りもきちんと見直してほしいという提言をしたところでございます。
 また、119世帯がまだ行き先が決まっておりません。また、32世帯かな、所在がつかめないので、119世帯の方はお話しして、まだ行き先が決まっていません。これは福島県と密に連携しながら対応していきたい、このように考えてございます。
(問)先ほどの復興庁の後継組織の件で関連だったんですけれども、最後の方に大臣、岩手とか宮城なども復興が遅れているところがあるので、そちらの方も配慮が必要だというお話がありました。当初、国会などでの答弁では、福島の再生・復興に対する後継組織みたいなお話でしたけれども、今の答弁ですと、宮城と岩手も、その被災地の面倒も見るような組織についても一緒に検討していくというような理解でよろしいんですか。
(答)岩手、宮城を訪問しまして、私も当初、仮称、仮の名前、福島復興庁をつくりたいという立場でお話をしていたんですけど、大臣として岩手、宮城も視察をしたところ、残り4年間できちんと全て復興を成し遂げるというのが我々の務めですけど、そういう不安を持っているということでございますので、その辺も配慮した新しい組織をつくっていきたいということです。
(問)火災の件にもう一遍戻るんですけれども、一般の日本の消防は、いわゆる専門消防の消防署の人たちと住民の消防団による消防力が合わさって火災等を鎮圧するわけですけれども、避難指示が出されて解除間もない地域、若しくは帰還困難区域は、住民の力がやっぱりどうしても足りないということで、震災前の消防力が十分に発揮できるかというと、なかなか疑問があって、幾ら広域消防が頑張ってもなかなか厳しい部分がある。それで、多分内部ではガイドラインがあると思うんですが、いわゆる避難指示区域内で火災が起きたとき放射性物質の動向を探るとか、例えば今回は山林ですが、市街地で燃えた場合どうなるか、そういった場合のガイドラインは多分あると思うんですけれども、それを国民に分かりやすく再整備して発表することというのは、いわゆる風評被害を防ぐだけではなくて、これから帰還する住民にとっても、火災が起きたらどれを見ればいいのかというガイドラインになると思うんですけれども、そういった体系を復興庁で整備するというお考えはありますでしょうか。
(答)いい御提言だと思います。消防団の方々は本当におりませんので、団長さんと副団長さん、浪江消防団の団長さんと副団長さんとか幹部の皆様方だけでございました。対策本部を訪れたときもですね。その分、自衛隊員の方々、マックスで440~450名、そこに県内の12消防本部があるんですけど、そこから応援を頂いて600名体制で、その鎮圧をしたときには、600名体制で消火活動に当たったところです。
 本当に消防団の皆様方、なかなか帰還していないわけでございますので、その辺のところ等をこれからどういう支援ができるのか、検討していきたいと思っています。
 いい御提言ありがとうございました。

(以    上)

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