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竹下復興大臣記者会見録[平成27年6月18日]

竹下復興大臣臨時記者会見録(平成27年6月18日(木)17:13~17:32 於)復興庁)

1.発言要旨
 既に資料を配布をさせていただいておりますが、平成28年度以降の5年間、復興・創生期間の復旧・復興事業についてでございます。
 先ほど自民党、公明党両党の復興加速化本部が開催をされました。これにつきまして、政府案を示しまして、いずれも本部長一任になっております。お示しした案につきまして、私から御説明申し上げます。
 まず、お手元の資料の1ページをご覧いただきたいと思います。
 事業規模につきましては、これまで復興庁としてお示しをしてきた28年度以降の復興事業の考え方をもとに整理を行い、6.5兆円程度と見込みました。その結果、復興期間10年間では32兆円程度となります。
 次に、2ページをご覧いただきたいと思います。
 この財源につきましては、集中復興期間の財源の精査を踏まえまして、新たに3.2兆円を確保する必要があるということが分かりました。既に6月10日の諮問会議の席で財務大臣に申し入れ、しっかり協力するとの発言をいただいているところでございます。明日開催を予定をいたしております、私、復興大臣と総務大臣、財務大臣の3大臣会合において、財源についての協議をすることにいたしております。
 次に、3ページをご覧をいただきたいと思います。
 自治体負担のあり方については、6月3日に復興庁としての考え方をお示しをした後、副大臣と政務官に3県に足を運んでもらいまして、県や市町村と意見交換をしていただいた結果などを踏まえまして、最終的な整理をさせていただきました。
 既にお示しをしているとおり、復興の基幹的事業や原子力事故に伴う災害の事業については、全額国費といたします。復興は最後までやり遂げるという安倍内閣の意思のあらわれと受け取っていただいて結構でございます。
 ただ、防災や地域振興等の全国に共通する課題への対応との性格もあわせ持つ復興事業については、自治体負担の対象とすることといたしました。その水準は地方負担額の5%、各事業費の1%から3%程度といたし、他の通常の負担に比べまして相当程度負担を軽減をいたしました。
 また、引き続き自治体負担ゼロとする事業について、被災自治体からの意見も斟酌をいたし、既にお示しをいたしておりました三陸沿岸自動車道路に加えまして、市町村が実施する防潮堤整備事業、それから避難指示等の対象でございます福島県の12市町村内で実施する全ての事業、相馬福島道路の整備も自治体負担ゼロということにいたしました。
 これらによりまして、被災自治体の財政負担にもしっかり配慮をさせていただいたと私は認識をいたしております。この案であれば、自治体に負担していただきながらも、被災地の復興に遅れが生ずるということはないと私は考えております。自治体負担のあり方につきましても、明日の3大臣会合で了解を得ることといたしております。
 また、社会資本整備総合交付金で実施する道路事業のうち、引き続き復興枠とするものの考え方についても、最終的な整理をいたしました。福島県につきましては、原子力事故災害特有の事情も踏まえまして、東北自動車道以東に加えまして、その他の地域でも防災・減災事業を除く沿岸部や12市町村に関連する事業については、引き続き復興枠とすることを決めさせていただきました。
 最後に、4ページをご覧いただきたいと思います。
 平成27年度に終了することといたしております事業についてでございますが、緊急雇用等の事業につきましては、今後も対応方針をお示しをいたしました。必要な事業につきましては、28年度以降も引き続き実施する方向で検討していきたいというふうに思います。また、被災自治体から要望の多い復興交付金の効果促進事業の一括配分について、1事業当たりの事業費の上限を撤廃をいたします。これまで3億円でしたが、それを撤廃をいたします。配分額の上限、これもこれまで250億円でございましたが、500億円への引き上げなどを行うことにいたしまして、更なる柔軟な運用を行うことといたしました。
 今後の取り運び方についてでございますが、明日、復興・総務・財務大臣による3大臣会合を開き、自治体負担、事業規模、財源について確認をいたします。その上で来週、復興推進会議を開催をいたしまして、政府として決定する運びでございます。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答
(問)今回の新たに示された方針では、特に今月初めに発表された方針とどこが変わったかといいますと、福島県のところが大きいと思うのですが、相馬福島道路を全額国負担とするなど、福島県に配慮する形になったと思います。この背景とか理由について御説明いただけますか。
(答)一番大きいのは、福島の復興はまだまだ他の県の復興に比べて大きく立ち遅れている。特に12市町村エリアについては、全く事業がほとんど行われていないという状況がありまして、そうしたことに特に配慮をいたしました。
 さらに、三陸道は当初から全額国費と打ち出しました。それで、例えば岩手県の38億円、宮城県の15億円の負担が軽くなったということも勘案いたしまして、福島では三陸道路はなかったものですから、福島相馬道路10億円の負担軽減というものを配慮したと、配慮したことは事実であります。
(問)それは配慮したというのは、やはり原発事故の影響が非常に福島県が大きかったということも、考慮に入れられたということでしょうか。
(答)それも考慮に入れましたし、復興の進み具合が他とは違うということも考慮いたしました。
(問)大臣の冒頭発言にも、この案であれば遅れは生じることはないと大臣もおっしゃいましたけれども、そう大臣がおっしゃられる理由というのをまず教えていただきたいのと、あとこの案、改めてになりますが、被災地の理解は得られる案だというふうに考えていますでしょうか。
(答)地元負担をしていただくということは、基本的に私は前からお話ししておりますように、全て与えられるお金でやるよりも、一部でもリスクをとるということは、人間は本気になるものだということに着目をいたしております。
 被災地は必死でやっているのです。必死でやっているのですが、いよいよ後半の5年間を迎えるに当たり、更に必死のギアをもう一段上げていただきたいという思いで、自己負担をお願いをすることにいたしました。
 そして、その際の原則でございますが、一つは復興に関連する事業であっても、全国的な防災・減災といったような事業、あるいは地域振興といったような事業と関連の強いものについて、自己負担をしていただくというのが一つの原則、もう一つは地方自治体の財政状況にしっかり配慮をしなければなりませんので、自己負担をしていただくということによって、事業に遅れが出ないという範囲での負担にしなければならないと、この二つが大きな原則で物事を考えてまいりました。
 ですから、その意味では、この負担をしていただくことによって、事業に遅れが出ることはないというより、遅らせてはいけないという強い思いで決定をいたしました。
 ですから、各県や市町村に対しまして、負担をもちろんお願いいたしますが、そのことによって復興事業の遅れはないと、それから基幹事業は全部国でやりますということも、もう一回あわせて話をしているところであります。
  パーフェクトではないかもしれませんが、今日の自民党の加速化本部の会合でも、三、四人の皆さん方から、地元選出の国会議員の皆さん方から、配慮に感謝するという言葉を頂きました。僕は全員から怒られるかなと思っておりましたが、その意味では、かなりの理解は得られたという手応えは感じております。
(問)その関連なのですけれども、今日の自民党の復興加速化本部では、これまでの配慮に感謝するとともに、地元負担を理由に絶対事業を遅らせることのないようにという意見も出たようなのですが、それに対して大臣はどういう風にお答えしたのでしょうか。
(答)先ほどもお話ししましたが、負担することによって事業が遅れるような負担額ではないように、我々は最大限配慮を先ずしたつもりであります。
 それから、具体的に出ましたのは、宮古、盛岡の道路について、それから釜石の道路について話が出まして、「事業が遅れないようにしてほしい」ということを、お求めをいただきました。そこで、我々も「事業が遅れてはならぬ」ということを前提に、全てのことを構築いたしておりますので、国交省ともいろいろ話を既にいたしておりますし、財源がどうであれ、例えば道路の完成時期の遅れるということはあってはならないということで、釜石の道路については「30年度には予定どおり完成させる方向でやってくれ」という話をいたしましたし、宮古、盛岡については、実はまだ用地買収等々も入っていくことができない、予定路線に近いところもございますので、全ての路線について、全ての宮古、盛岡について完成時期を明示することは不可能でありますけれども、今工事に入っている完成時期が見え始めているところについては、32年度までにきちっとそれはそれでやってくださいという話を、国交省ともこれから更に詰めなければなりません、ならないと思っております。遅れるようなことはないと、こう思っております。
(問)青森、茨城、千葉県の3県のほうで、大抵が沿岸のほうから15キロまで実施する事業、これに伴ってこの3県にどの程度負担が移っていくのか。この狙いというのはどういうところにありますか。
(答)岩手、宮城、福島の3県だけではなくて、青森、千葉、茨城にも震災あるいは津波の被災が大きく出ていることは事実でありまして、その被災の規模、事業規模についてはほぼ3,000億円程度がまだ必要だなと、こういう風に我々は試算をしております。
 それぞれの地元負担について、千葉とか茨城については、ちょっと数字はまだありません。少しうろ覚えでありますが、茨城については40億ぐらいではなかったかなと思っておりましたけれども、千葉についてはちょっと今数字は持っておりません。
(問)液状化については、どのような考えでしょうか。
(答)液状化は、正に基幹的な事業、液状化対策は基幹的な事業という位置付けを我々はいたしております。ですから、液状化対応について、国が負担すべき部分は全て国費で負担するということをこれまでもお話をしてまいりましたし、これからもその方向でやっていこうと思っております。
(問)復興支援道路について、先ほど福島に配慮したというお話がありましたけれども、一方で岩手、宮城は全額国費の対象にはならなかったということですけれども、一時は、一部報道では全額国費も検討なんという報道もありましたけれども、どのような議論を経て今回の判断に至ったのかというのを教えてください。
(答)報道があったことは存じております。誰が書いたのかは私は分かりませんが、明らかにその方向で議論したことはありません。三陸道については相当激しい議論をいたしました。
 三陸道については、私自身感じましたことは、もちろん命の道であり、産業の道であり、色々な道であるのですが、被災地の皆さん方の心の支えがあの道路だと、こう思いましたので、三陸道については一早く全額国費ということを、腹を決めた経緯はございます。
 ただそうしますと、福島については三陸道はないものですから、福島だけ不公平、不公平というか大きく不公平になるなということで、相馬福島道路、これが10億円ぐらいの負担を県に求めることになりかねない状況だったのですが、対応を考えて福島の負担について相馬福島道路を全額国費にしたというのが経緯でございます。
(問)関連なのですけれども、今回示された全額国費の分で、福島の配慮ですとか、宮城県の市町村の防潮堤も全額負担になっています。
 岩手県の分は、ある意味要望を幾つか受けていたと思うのですけれども、そこは通っていないようなのですけれども、そこは先ほど言ったように3県のバランスですとか、そこを考慮されているのですか。
(答)いろいろなことを考えて、最終的に決めたのは事実でございます。
 宮城県の市町村の防潮堤については3億とか4億とかという金額、一つの町がそうなりますので、それは負担できないだろうと。これは正に負担に配慮したという結果であるということでございます。
(問)今後5年間、被災が大きいところは正念場を迎えると思うのですけれども、改めて国と沿岸自治体もしくは県と、これからより緊密に連携していく必要があると思うのですけれども、そこら辺の意気込みというか、改めてお願いします。
(答)おっしゃるとおり、市町村と県と国が正にタッグを組んでやっていかなければならない事業ばかりでありますので、連携は更に更に強めながらやっていこうと。我々は何としても復興を加速化するのだと、特に宮城と岩手については復興基本計画の10年間にハードの部分は全て終わるということをきちっとやり遂げなければならぬということを考えて、更に連絡を密にしてやり抜いていこうと思います。

(以    上)

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