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根本復興大臣の会見[平成25年11月8日]

根本復興大臣記者会見(平成25年11月8日(金)9:30~9:49 於:記者会見室)

1.発言要旨
 おはようございます。
 私の方から3点申し上げます。
 第1点は、コミュニティ復活交付金の交付可能額通知第2回目及び長期避難者の生活拠点の形成に向けた取組方針の公表についてであります。
 本日、6市町村の生活拠点に対して、コミュニティ復活交付金の第2回の交付可能額通知を行いました。今回配分を行った金額は約76億円で、復興公営住宅の整備などを実施します。原発避難者向けの復興公営住宅は1,481戸着手することとなり、全体整備予定戸数約3,700戸の約4割となります。今後、残りの戸数の整備について福島県、受入市町村などと協力しながら、年度内には一定の目処がつけられるよう早急に取り組んでいきたいと思います。また、長期避難者の生活拠点のうち、今回コミュニティ復活交付金の交付可能額を通知した生活拠点のうち4市町村について、「長期避難者等の生活拠点の形成に向けた取組方針」等を策定又は改定したのであわせて公表します。この取組方針は、国、県、受入市町村及び避難元市町村による協議会のもとに設置した個別部会において、協議で合意した内容を中間的にまとめたものであり、受入自治体ごとのハード、ソフトを合わせた整備方針や支援策を整理しております。今後も関係自治体、関係省庁などと連携しながらハード、ソフトの両面から長期避難者の生活拠点の形成に取り組んでいきたいと思います。
 次に、復興特区法に基づく課税の特例の活用状況及びその効果についてお話をいたします。被災地の雇用を確保するため、復興特区法に基づき課税の特例を措置しているところであります。その効果について、四半期ごとに取りまとめ公表しているところであり、9月末までのデータが集計できたことから、私から発表させていただきます。昨年2月から本年9月末までに被災5県において指定を受けた事業者等の数は1,752。その投資見込額は約1兆1,300億円、被災者の雇用予定数は約8万2,600人であります。本年6月末時点では、投資見込額は約1兆700億円、被災者の雇用予定数は約7万5,600人であったので、被災地における産業の復興が着実に進んでいることがうかがえます。引き続き多くの事業者がこの特例措置を活用することにより、被災地における復興が加速化することを期待しております。
 次に、第5回・6回地域復興マッチング「結の場」の開催決定及び支援企業の募集についてであります。復興庁では、地域復興マッチング「結の場」の第5回目を来年1月に岩手県宮古市で、宮古商工会議所との共催により開催します。また第6回を来年2月6日に福島県福島市で、福島商工会議所との共催で開催します。本日より岩手県、福島県において、被災地の企業を支援する企業募集を開始します。豊富な経営資源を持ち、被災地事業者の支援に前向きに取り組む企業の積極的な応募を期待しています。10月28日、私は霞が関ビルで開催された「霞マルシェ2013」を訪問しました。石巻の水産加工業者、食品加工業者の皆さんにお会いして御自慢の商品を試食しました。私はそのとき、地域の事業者皆さんがすばらしい商品の素材をお持ちであり、それに付加価値をつけて上手に売るためのノウハウなどがあれば更に伸びる力を持っておられると感じました。今後も「結の場」の取組などを通じ、被災地事業者の潜在的な力を引き出し、更に伸ばすことで地域産業の後押しをしていきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)地域復興マッチング「結の場」に関してお伺いしますが、これまで水産加工業をテーマにしたケースが多かったと思うのですけど、今回、福島で金属加工業をテーマにされた理由をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
(答)これまで岩手県、宮城県は水産業を活発にやっておられた県で、その意味では、岩手県や宮城県では水産加工業という業種が対象になって、地域の要望もありましたから、水産加工業が中心でした。福島県においては金属加工業と、今回そういう話合いの場で金属加工業にしました。福島は東北有数のものづくり県で、金属加工業、これはものづくりの基盤となる業種になっております。しかも、福島市周辺、これは戦後間もないころから福島製作所に代表される福島の舶用工業の拠点であって、この舶用工業への部品供給を支える重要な業種、これが金属加工業で、技術的なポテンシャルが非常に高いんです。ただ、舶用工業の需要減に伴って、あるいは震災後のサプライチェーンの寸断、地元の金属加工業が非常に影響を受けました。その意味では、「結の場」の取組を通じて、福島の金属加工業、もともと技術ノウハウがあったところですから、これを震災前の状況に復旧させるだけではなくて、新たな販路の開拓、あるいは付加価値をつけていく、復興と呼べるような地域産業、この後押しが、この「結の場」によって実現されることを期待しております。金属加工業というのは、要は、福島のものづくりの特色のある業種であるいうことだと考えます。

(問)復興特区法の関係ですが、投資見込額と雇用予定数を見ると、岩手県の数字が低いように思えるが、何か分析をされていたら教えてください。
(答)これは復興特区法に基づいて課税の特例を受けたいという企業がこの特例を受けるということで、結果的に宮城県、岩手県それぞれの地域あるいは市町村ごとに、それぞれの実績が今出ておりますが、その結果だと思います。ただ、いずれにしても、この復興特区法の効果によって雇用も伸びる、あるいは新たな投資もより多くされるということですから、産業立地補助金やグループ化補助金、あるいは利子補給金、そしてこの特区法に基づく課税の特例、今様々な支援策を用意しておりますので、岩手も、あるいは宮城県も福島県もしっかりと産業が再生される、これを我々引き続き後押しをしていきたいと思います。

(問)コミュニティ復活交付金についてですが、計画戸数3,700戸に対して1,400戸ぐらいと思うのですけど、そこの数字の計画の進捗状況への受け止めと、土地取得になるのかと思うのですけど、その辺の課題を改めてお聞かせください。
(答)このコミュニティ復活交付金については、福島県受入市町村、避難元市町村及び復興庁で十分に協議を行いながら復興公営住宅の整備箇所、あるいは関連する基盤整備について協議を行っております。要は、地域に密着してきちんとニーズを把握しながら丁寧に取り組んでおります。ただいまの御質問ですが、前回の配分までに復興公営住宅の整備費として交付金を配分した918戸、このうち596戸の用地取得が完了しました。更にそのうち523戸の設計が完了しておりまして、今月から順次建設に着工するとして、最も早いもので平成26年7月に入居予定というスケジュールで進んでいきます。そして、今回の配分までに1,481戸分の用地費を配分していますから、福島県の全体整備計画約3,700戸全ての用地を福島県は年度末までに確保する予定だと聞いております。この用地取得の目途が立ったところ、そして設計を進めて建設の準備が整った箇所、これについては順次交付金の事業計画の申請がなされるものと考えておりますので、可能な限り早期に事業に着手されるよう調整を進めていきたいと思います。用地取得については、福島県が精力的に今取り組んでいるという状況にあります。

(問)与党が原発事故の復興の加速に向けた提言をまとめて、近く安倍総理大臣に対して提言を行う方針ということになっていますが、この提言全体についてどのように受け止めておられますか。
(答)与党においては、熱心にご議論をいただきました。そして第3次提言として取りまとめていただくことに感謝をしております。提言案にもあるように、今回の与党提言のポイントは、原子力事故災害からの復旧・復興が遅れておりますので、この点に絞って具体的な提言をいただく、これはありがたいと思っています。特に早期帰還の促進と新しい生活を選択するための判断材料の提出、これは重要だと思います。正式に提出されましたら、総理の指示のもとに、政府・与党が一体となって被災地の復旧・復興をより一層取り組んでいきたいと思います。
(問)関連してですが、先ほど言われた早期の帰還の促進を求めると同時に新しい生活、それというのは帰還困難区域の住民が、要は、将来帰還するかどうかというのを判断する材料を提示する形になるとは思うのですが、そうなると、帰還困難区域の方々全員が帰るわけではないというとり方もできるのですが、政府としてはどのように今後検討していくということになるのでしょうか。
(答)今の御質問について関連した観点から言うと、提言案の中では、長期に帰還困難な地域の方々が今後の新しい生活を選択するために必要な判断材料を国は自治体と共同して提示することと提言案の中では提言されております。その趣旨は、やはり大事なのは被災者お一人お一人の気持ちに寄り添って、その選択をきめ細かく支援するということが大事だと思いますが、その姿勢で我々は対応していきたいと思います。

(問)一部報道で、原子力規制委員会は年間線量20ミリシーベルト以下を安全とする指針を策定するというのがあったのですが、仮にそうした指針が策定されたとすれば、大臣は3月の原災本部の会議で規制委に指示事項がありましたが、それに対する検討の結果の関連という認識でよろしいでしょうか。
(答)全体の話をさせていただきますが、まず、避難住民の帰還に向けては、年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることが確実である地域について避難指示を解除すると、こういうもともと要件がそうなっています。一方、帰還した後、住民が安全・安心に暮らしていくためには、線量基準に対する考え方について客観的、科学的な根拠に基づく国民の理解が重要だと私は思います。福島県の地元自治体からも、避難指示の解除の後、住民が安全・安心に暮らしていくための線量基準の在り方の検討や、国民の理解の浸透に取り組むべきとの要望を受け取りました。このような地元の声に応えるため、私から原子力災害対策本部に対して3月に、線量水準に応じて講じるきめ細かな防護措置の具体化について、年内を目途に一定の見解を示してくださいと私が依頼をしております。その流れの中で、現在、原子力規制委員会に設置された帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム、これが議論を進めておりますので、その結果を受けて、原災本部としての結論を示すものと私は理解をしております。この検討チームにおいて検討を深めていただいて、これを踏まえて政府としての必要な政策を総合的に講じていきたいと思っています。
(問)確かに規制委員会の帰還検討チームでは検討をしていて、ただ、生活再建の在り方とかかなり幅広い意味も込めての検討になっていると思うのですが、先ほどの一部報道の話というのは、まさに大臣が今話された線量水準に応じた防護措置というもともとの当初の指示事項に直接リアクション的になっているのかなという気もするんですけれども、ちょっと仮定ですが、まだ指針を策定されていないので仮定の話で恐縮なですが、それも一環という捉え方でいいということでしょうか。
(答)やはりこういう問題は具体的に報告があって、その報告の中身で議論しないと。ある仮定のもとに、ある前提のもとにお話をするのはかえってミスリードになると思いますので、私が申し上げたように、これは原災本部で決定されてその結論が出ますから、その段階で、我々もそれを受けて適切な対応を考えていきたいと思います。

(以    上)

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