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平野復興大臣の会見[平成24年8月3日]

平野復興大臣記者会見録(平成24年8月3日(金)9:40~9:51 於:復興庁記者会見室)

1.発言要旨 

 私からは4件の報告があります。
 まず、岩手県内4市村、宮城県内3市町及び福島県内4市町の復興整備計画の公表についてです。
 岩手県の久慈市、陸前高田市、釜石市、田野畑村、宮城県の石巻市、東松島市、南三陸町、福島県のいわき市、相馬市、南相馬市及び新地町がそれぞれ県と共同で復興整備計画を作成し、8月1日(水)から7日(火)にかけて公表すると聞いています。
 このうち久慈市、釜石市、田野畑村、南相馬市及び新地町は、今回が初めての計画作成、公表です。
 復興整備計画は、土地区画整理事業や防災集団移転事業を実施する上で、さまざまな計画を策定・実施するための必要な協議のワンストップ処理等の特例が適用されるということです。
 2点目が福島県及び県内59市町村並びに釜石市の復興推進計画の認定についてです。
 本日、福島県及び県内59市町村から共同申請されたもの、釜石市から申請されたものの計2件の復興推進計画を認定します。
 福島県の計画は確定拠出年金法の中途脱退要件を緩和し、脱退一時金の支給対象者を拡大するものです。
 釜石市の計画は、都市計画で定められている工業専用地域において、市中心部の土地の有効活用及び周辺の商業地域との相乗効果を図るため、商業施設の整備を促進する用途制限の緩和を行うものです。
 3点目は出張の件ですが、明日4日(土)、岩手県の陸前高田市を訪問し、被災地を視察すると同時に、鳥羽市長と意見交換を行い、同市に立地された植物工場の初出荷をお披露目する会に出席する予定です。
 高田市長とは、住宅再建の全体の筋道等についてヒアリングして意見交換したいと考えています。
 5日(日)は岩沼市の防災集団移転促進事業、玉浦西地区造成工事の起工式に出席します。
 岩沼市は海岸沿いに幾つかの集落があり、それが全て被災しました。この地区のほとんどと言っていいと思いますが、玉浦西地区に移転するということで、その造成工事に着手するということです。
 本格的な防災集団移転事業の第1番目と言っていいかと思いますが、その中でも規模が比較的大きいところです。これから防災集団移転促進事業の土地造成工事等は、年度内に   何地区かは予定されていますが、これを一つの狼煙というか、出発点として、防災集団移転事業の促進に、あるいは漁業集落移転促進事業、土地区画整理事業等の事業に弾みがつけばと思います。
 起工する玉浦西地区は、被災6集落の移転対象の471戸のうち、災害公営156戸を含む348戸が移転するものです。
 今回の被災の復興の大きな柱は集落移転であり、全体で数万戸単位の家の移転を行うことになると思います。それのまず第一陣ということで、岩手、宮城、福島、あるいは茨城等も含めて、一つの目標になると思います。
 最後になりますが、復旧・復興に係る土地の境界・権利等の問題に関する連絡会の設置です。
 先ほど岩沼市の防災集団移転事業の話を報告しましたが、復旧・復興に関する事業の本格化に伴い、被災地における土地の境界や権利関係について、例えば境界杭が津波で流されて土地の境界が不明になったことによる相談件数や、土地の筆界の現地における位置を特定する筆界特定の申請が増加しています。
 筆界特定の境界立ち合いは本人同士が原則ですが、本人がどうしても出てこられない場合に、復興整備事業の施工者から申請できる特例を特区法で創設しています。これは筆界特定制度と言います。行方不明になった方の土地につきましては、その土地の財産がある場合や相続人がいない場合の手続である財産管理人の選任の申し立ての増加等の問題が生じてくることが予想されます。
 このため、4月24日に当時の小川法務大臣に地籍調査等を所管する国土交通省も含めた連携体制の整備について、協力を依頼しています。
 これを受けて、今般、登記事務を所管する法務省、地籍調査や土地収用を所管する国土交通省及び復興庁が地域レベルで連携して、事業を実施する地方公共団体等が抱える土地の境界や権利等の問題の解決を図るための体制として、岩手県、宮城県、福島県の3県に、復旧・復興に係る土地の境界・権利等の問題に関する連絡会を設置しました。
 第1回連絡会は7月中に開催しており、これを受けて、復旧・復興に係る土地の境界・権利等の問題に関する連絡会を今回正式に設置するということです。
 第2回連絡会においては、県及び二、三の被災市町村から、土地の境界・権利等に関する課題についてヒアリングを実施する予定です。
 私からは以上です。


2.質疑応答

(問)玉浦西地区の防災集団移転事業は、大きなところではかなり早い例だと思うのですが、ここが早くいった、うまくいった理由、背景についてどのようにお考えになっているのでしょうか。
(答)岩沼市は、早い段階から内陸部に集落を移転するという方針を決めていました。あわせて、今回の被災地域の大部分は戦後に集落が大きくなった地域であり、海岸に極めて近いという特徴があります。
 そのような中で、この集落の方々の移転に対する同意取りまとめも早い段階で入り、比較的早くなったということだと思います。
 土地の問題等についても、地権者とは岩沼市が早い段階から相当精力的に交渉を重ねてきたと聞いており、地権者の皆さん方の了解も比較的早かったということだと思います。
 全体として、ここは造成工事といっても、多分これは農振農用地だと思いますが、農用地、農地ということで、そばに既に相当程度の家が建っており、そういった意味で土地計画全体の中での理解も若干得やすかったのかなと思いますが、いずれにせよこれだけの用地面積をこれだけ確保したということ、こんなに早く合意形成ができたことは、岩沼市と関係者の努力が相当あったことが一番の理由ではないかと思います。

(問)今後、高台移転がほかのところでも本格化しますが、ほかの市町村が参考にできるようなものはあるのでしょうか。
(答)参考にできるというよりも、こういうところが進み始めているということで、自分たちも頑張らなければいけないなといった話になると思います。
 ほかの地区、特に三陸は地区数が多いですが、いずれその中からやれるところから次々に着工していくことになると思います。昨日も2県の副知事に住宅再建を積極的に進めていただきたいと強く言いました。
 それぞれの地区で課題が違うという面もありますので、こういうところが動き始めたということが伝わることの効果が一番大きいと私は思います。

(以上)

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