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平野復興大臣の会見[平成24年5月18日]

平野復興大臣記者会見録(平成24年5月18日(金)10:39~10:54 於:復興庁記者会見室)

1.発言要旨 

 私からは、まず、復興特区法に基づく課税の特例に係る指定の状況について報告します。東日本大震災復興特別区域法に基づく課税の特例の適用を受けるためには、復興推進計画の認定の後に、認定地方公共団体による事業者の指定が必要であり、本年4月末現在の課税の特例に係る指定の状況について、復興庁が取りまとめましたので、先月に引き続き公表いたします。4月末現在の指定件数は181件、指定事業者数は85社、各県ごとの状況は、青森県内で10件・10社、宮城県内で59件・43社、茨城県内で39件・32社、復興特区法第38条の指定件数が増加していることが4月の特徴です。
 被災地域の復興を図る上で、産業の復興は最重要課題の一つと考えており、引き続き多くの事業所が指定を受けて課税の特例措置を活用することにより復興が加速すると期待しています。
 明後日(20日)、福島市を訪問し、除染関係施設等を視察する予定です。詳しい日程については現在調整中です。
 先程開催した第2回復興推進会議において、復旧・復興の進捗状況と復興施策の事業計画及び工程表、福島の復興再生について報告し、関係閣僚で認識を共有しました。
 私からは以上です。


2.質疑応答

(問)工程表の公共インフラについて、3月末現在で、対象の18事業のうち16事業が概ね目標どおり、瓦れきと海岸堤防の二つの事業が目標を若干下回ったという評価ですが、この受け止めをお願いします。
(答)海岸等については用地交渉等で手間取っていることもあり、着工数3割の目標に対して2割ということで、引き続き加速する必要があると思います。瓦れきについては、放射能が検出されて広域処理がなかなか進まなかったことや、現場において仮置き場等の確保に手間取りましたが、今後、瓦れきの処理等についても加速されるのではないかと思います。
 復興まちづくりにおいて、防災集団移転促進事業、土地区画整理事業等の平成23年の成果の進捗分析は目標どおりとしていますが、23年度の目標は制度をつくることであり、それが達成されたということです。本当の課題は、今後、計画を策定して実施に移すことであり、大きな課題です。
 ある地区からある場所に移転するのが防災集団移転促進事業、かさ上げ等を行って、現地で復旧するのが土地区画整理事業と大まかに言えると思います。防災集団移転促進事業は、利害の調整が大変ですが、地域単位、あるいはコミュニティ単位でいろいろな調整ができるという意味において、簡単ではありませんが、若干調整しやすいという傾向にあります。大槌町、山田町、釜石市、本日訪問する南三陸町等は中心市街地が津波で大きく被災しています。その中で、地盤が沈下したところを中心に高台移転等が進みますが、町並みを残そうということになると、土地区画整理事業とともに、防災集団移転促進事業を実施しなくてはなりません。
 土地区画整理事業と防災集団移転促進事業をセットで実施することは、過去に経験のない事業で、しかも非常に幅広い範囲で事業を行わなければならないという困難さがあることを私どもも認識しており、これまで支援等を進めてきました。これから本格的な計画策定、事業の実施にあたり、被災して体力が落ちた自治体が非常に難しい、高いレベルの事業を行わなくてはなりません。中心市街地の復旧に向けての事業計画の策定、事業の実施については、我々が実施してきた人的支援や専門家等をさらに強化して、相当のサポートを行っていく必要があると考えています。この実施に向けて、昨日、国土交通省の担当局長に検討を指示したところです。

(問)現在のサポートである専門家の派遣等の人数を増やすということでしょうか。
(答)引き続き検討が必要だと思います。国土交通省が町づくりの専門家を全国で160人ほど確保し、現在マッチングを行っています。町の中心部等が被災した地域には一度行っていますが、その状況を見ながら、国の更なる人的支援の拡充にあわせて、国の職員が集中的に現地に行って、一緒に計画を策定することや地域とのコミュニケーションを図ること等も必要ではないかと思います。これはあくまでも中心市街地のイメージであり、地域単位の防災集団移転促進事業は徐々に進みつつありますから、これをしっかり進めていただきたいと思います。

(問)18のうち16事業が順調だという結果は大臣の認識と一致しているのでしょうか。
(答)私の認識とほぼ一致しています。
 ただ、現地を見ますと、地域によっては、半壊状態、全壊状態の建物の撤去が進んでいないところもあり、住宅再建が目に見える形で進まず、荒涼とした風景だけが目立っています。それは住宅再建、地域の土地区画整理事業等について、まだ事業が未着手だということが一番大きな理由です。今後、事業計画を策定し、準備の整ったところから段階的に着工していくという状況です。
 その他の状況等としては、グループ補助金等は、予算が足りないというくらいに要望があり、一部、土地区画整理事業を待って事業を実施しなければならないため予算の執行が保留されているところもありますが、執行は概ね進んでいます。
 全体の町づくりの土地区画整理をどうするか、特に中心市街地は大変困難な仕事です。本来であれば、通常の土地区画整理事業でも10年ぐらいの期間を要するものを、短期間で行わなくてはならないため、地元の方々にもしっかりとした決断を促さなければならないと思いますし、国、県としてそれを促すために様々な支援を行っていかなければならないと思っています。

(問)2点伺わせてください。1点目は、目標を設定して、その進捗状況を確認していくというのは、復興のスピードを上げていくためにも必要不可欠な要素だと思います。今回は、インフラについて発表されていますが、例えばグループ補助金など、ソフトに関するものも目標設定や進捗状況の確認を行うとの考えはありますでしょうか。
(答)基本的に公共インフラ等を中心で行いましたが、グループ補助金については、執行状況を適宜報告していくことが大事だと思っています。ただ、執行状況を調査するためには自治体を窓口にして作業しなくてはなりません。自治体は手一杯の状況であり、自治体の今の状況も勘案しながら作業を進めなくてはならないため、多少遅れている面はあります。
 ただ、どこの地域に行っても、グループ補助金については足りないという声が依然として根強く、その状況を踏まえて、引き続き財務省と協議をしていきたいと思っています。

(問)もう一点は、公共インフラの復興まちづくりの中の防災集団移転促進事業と土地区画整理事業等について、実際に事業を行うのは地元の市町村になると思うので難しいかとは思うのですが、今後、より具体的に目標設定していく方法などはお考えでしょうか。
(答)目標設定は各市町村が主体的に考えていただきたいと思いますが、仮設住宅や借り上げ住宅を早く出て、自分の新しい住宅、家に住みたいという強い要望を皆さんお持ちですから、これに沿った形でとにかく早く事業を進めることが基本だと思います。これが遅れれば遅れるほど、中心市街地を含めて、地域の活力が失われていくのではないかという危機感を被災自治体は強く持っていますから、その危機感をバネに是非とも強力に進めていただきたいと思いますし、それに対してはしっかりサポートしていきたいと思います。

(以上)

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