被災地での55の挑戦 ―企業による復興事業事例集―
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113 事例2-2 「ふかひれスープ」への徹底した原点回帰 宮城県気仙沼市 1.気仙沼の地域特性を活かし、市場が求める自社ブランド製品を開発 2.親会社、金融機関と連携した速やかな復興計画策定による早期復旧と販路維持 3.経営合理化と高利益率商品に絞った再建 気仙沼ほてい株式会社 1953年設立、従業員数76人'2013年3月末現在( 事例の概要 '1(プロフィール'概要( 気仙沼市の気仙沼ほてい㈱は、1953年、気仙沼食品㈱の名称で缶詰製造を開始し、1968年、合併によりほてい缶詰㈱気仙沼工場となり、1984年に分社化され現在に至っている。自社ブランドの「ふかひれスープ」の製造と親会社ホテイフーズコーポレーション向けに缶詰、レトルトをOEM供給している。 '2(バックグランド'背景( 当社はほていグループにおける、フカヒレ、ホタテ、カニスープの生産基地の役割を担っている。一方で地元スーパーに刺身、鰹のたたきを卸したり、魚を冷やす氷を漁船や加工場へ供給する役割もある。創業当時は、缶詰製造からはじめた当社だが、地域のニーズに対応し、1970年に製氷部門を設立させた後、1987年にサメの水揚げ地である気仙沼の地域特性を活かし気仙沼産フカヒレを使用した独自ブランド商品である「ふかひれスープ」の開発・販売を開始した。その後、「ふかひれスープ」は当社を支える中核商品にまで成長した。「ふかひれスープ」は東南アジア産等を原料とする大手メーカーの同種商品と差別化しており、震災前は気仙沼産フカヒレを使用した加工品販売実績で全国の40%のシェアを占めていた。当社は「ふかひれスープ」の販売を通じて気仙沼のフカヒレのブランドを作ってきた自負がある。また、当社の仕入れる水産物には生鮮でも販売できる材料があ収益の柱としての自社ブランドの必要性展望本格実施準備構想・計画課題課題への対応3.11震災後早期復旧の必要性販路維持のため早期再開の必要性主力商品再開の必要性地域ニーズ対応の必要性再建計画の必要性収益維持の必要性差別化商品の必要性地域特性を活かしたフカヒレスープ発売社員による自主的な工場後片付け協力工場による出荷再開国の復旧支援制度を利用した工場再開とフカヒレスープ生産親会社・金融機関との連携経営合理化と利幅の大きい商品への集中地域性を活かし尐量多品種生産の新商品開発製氷部門、生鮮部門等多角化再建後の当社工場 当社の主力商品「ふかひれスープ」

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